- 作者: 角野栄子,佐竹美保
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2004/03/10
- メディア: 単行本
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キキ17歳の夏から翌年の夏までの物語。とんぼさんがいなくなって初めての夏休み、キキはとんぼさんは当然コリコの町に帰ってくるものだと思いこんでいました。しかしとんぼさんからの手紙にはこの夏は山ごもりするとうれしそうに書いてあったので、キキはむくれてしまいます。ジジにむかってとんぼさんに相談したいことがいっぱいあったとこぼすキキ。しかしその相談の内容は新しいスリッパの色はなにがいいかとか髪をみじかくすべきかどうかとかどうでもいいことばかり。「これからはなんでもふたりで決めたいの」というキキにジジは「ふー、たいへんだね。だけどさ、ふたりで決めるってこと、とんぼさんと決めたの?」と鋭いつっこみを入れます。キキ、完全に脳があたたかくなっています。いろいろあって最後にほうきにのってとんぼさんに会いに行く場面では、懐かしいアイテムが再登場して驚かされました。
さて、この巻でキキは子守り業に手を広げることになります。知り合いの弟ヤアくんを預かることになったキキ。ヤアくんやおソノさんの子供を見守っているうちに、キキは自分が大人であることを意識しだします。そして「おとなは、ひとりで行く」世界で訪れる試練を経験しました。三巻ほど重苦しくはないものの、青年期の不安を象徴的に描く手腕は見事なものです。
もうすぐ出る第五巻ではとうとうキキは十代を終え、はたちになるそうです。はたちのキキ、想像できませんね。浮き沈みが激しい性格だけは変わっていないのでしょうけど。