「虎の弟子」(ローレンス・イェップ)

虎の弟子

虎の弟子

 サンフランシスコに住む少年トムが、おばあちゃんのところにやってきたトラのお客と出会うところから始まり、物語は急展開を見せます。いきなりおばあちゃんの家が妖怪に囲まれて、おばあちゃんは戦闘で死亡、トムははじめておばあちゃんに不思議なバラを守る使命があったことを知り、その使命を引き継いだトラとともに冒険にかり出されることになります。
 作者のローレンス・イェップは中国系のアメリカ人だそうで、東洋風のモチーフを使っているところが興味深いです。旅の仲間がトラに東洋の龍にサル(斉天大聖)で、敵も山海経に登場する化け物。ほかの翻訳ファンタジーとはひと味違った楽しみ方ができる作品です。