ボクラノSF第一回配本

秒読み (ボクラノSFシリーズ)

秒読み (ボクラノSFシリーズ)

闘技場 (ボクラノSFシリーズ)

闘技場 (ボクラノSFシリーズ)

 「海竜めざめる」はすでに紹介したので、福音館書店の新SFレーベル「ボクラノSF」第一回配本の残りの2冊、筒井康隆フレドリック・ブラウンと短編集を取り上げます。どちらも何度も読んだ作品ばかりなのですが、こうして若い読者向けに美しい装丁で生まれ変わると嬉しくなってついつい読んでしまいます。
 「秒読み」の冒頭に収められた掌編「到着」なんかは、1ページの中にあの「ペチャッ」を文に調和させたデザインが見事でした。迂闊にも「マグロマル」のシェー族のイラストにも笑わされてしまいました。
 フレドリック・ブラウンの方は、「星ねずみ」のイラストが某社から訴えられないか心配です。あれってもう公認なんですかね。
 東京新聞の情報では、今後の刊行予定に椎名誠佐藤哲也藤田雅矢の名前が挙がっていました。椎名誠といえば非SF者にも名前を知られている超有名作家。佐藤哲也藤田雅矢は、日本ファンタジーノベル大賞出身作家の中でもとびきりの奇想力を持っている作家です。今まであまりSFのイメージのなかった福音館書店がこれだけの精鋭を集められたのは驚きです。従来の福音館書店ファンだけでなく、目が肥えたSF者にとっても目の離せないシリーズになりそうです。