日本の児童文学に魅力的なキャラクターがいないわけがない

まずは現状を説明します。発端は丸山高弘さんのブログの5月31日の記事と6月1日の記事で、現在の日本の児童文学ではゾロリをのぞいて魅力的なキャラクターが絶滅状態にあるという問題提起がなされたことです。そこへわたしが反対する立場からコメント欄にお邪魔した次第です。詳細はリンク先を参照してください。
そちらのコメント欄でわたしは丸山さんの論拠を確認しているばかりで、自分から積極的な意見発信をしていません。それではフェアではないので、こちらから「日本の児童文学に魅力的なキャラクターはいる」という論拠を提示したいと思います。なお、コメント欄でわたしは「魅力的かどうかという問題の立て方は主観的すぎるので、ある程度目に見える指標を導入しないと議論は平行線になってしまう」と指摘しているので、論拠は客観的なものを提示することを心がけます。
まずは、書店に行って平台にある人気のシリーズを見てください。そこには10巻をこえる長いシリーズものがいくつもあるはずです。

2009年5月現在で「マリア探偵社」は18巻、「若おかみ」は13巻、「黒魔女さん」は10巻(11巻は7月刊行予定)刊行されています。「夢水清志郎」は全14巻で2009年3月に完結しました。これだけの長いシリーズを子供が読み続ける理由はなんでしょうか。ストーリー展開が面白いので、先を知りたいという理由はもちろん考えられます。しかし、上に挙げた人気作4作は事実上一話完結方式で、ストーリーで次の巻につなぐという要素は強くはありません。となると次に考えられるのは、「大好きなあのキャラクターにまた会いたい」という動機です。つまり、これらの作品のキャラクターはまた会いたいと思わせるだけの魅力を持っているということです。これらの本が出続けて売れているというのが、わたしの提示する目に見える指標です。反論をお待ちしています。