その他今月読んだ児童書

城の王 (講談社文庫)

城の王 (講談社文庫)

文庫化はもちろんありがたいのですが、なぜ『ぼくはお城の王様だ』というセンスのいい邦題を変更してしまったのでしょうか。スーザン・ヒルの『ぼくはお城の王様だ』とシャーリィ・ジャクスンの『ずっとお城で暮らしてる』をセットで他人におすすめするのが悪い外文読みのお約束だったのに、これでは釣り合いがとれなくなってしまいます。
チャルーネ

チャルーネ

  • 作者: ホーコンウーヴレオース,オイヴィントールシェーテル,H〓kon 〓vre〓s,Oyvind Torseter,菱木晃子
  • 出版社/メーカー: ゴブリン書房
  • 発売日: 2018/07/01
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
夜中にスーパーヒーローに変身していじめ加害者に復讐する話。イラストのゆるさにちょうど合っているいい温度の作品なのに、訳者あとがきの書きぶりがシリアスすぎるので、読者に余計な先入観を与える懸念が持たれます。
ケイゾウさんの春・夏・秋・冬 (わくわくライブラリー)

ケイゾウさんの春・夏・秋・冬 (わくわくライブラリー)

幼稚園に住むおいぼれにわとりケイゾウさんの物語第2弾。前作と同じく、園児に対するケイゾウさんのツンデレがユーモラスに描かれている、ほほえましい作品になっています。この作品の初出は「母の友」2001年11月号とと2002年2月号。それがいまになって本になる気の長さは児童文学の美点ではありますが、もうちょっと早く出してもよかったのではないかとは思います。
スパイガールGOKKO: 温泉は死のかおり (ノベルズ・エクスプレス)

スパイガールGOKKO: 温泉は死のかおり (ノベルズ・エクスプレス)

ベテランの作品で、主人公が3人組なので、どうしてもズッコケ三人組みが感じられてしまいます。富安陽子の新シリーズ。鬼灯京十郎という不吉な名前の転校生が、オバケ関係の厄介ごとを引きこんできます。今回の相手は影の妖怪なのですが、その退治法にあれを使うのかというところに驚かされます。