『すみっこ★読書クラブ 事件ダイアリー 2 夜の散歩者と旧図書館のワナ!?』(にかいどう青)

そのとき あなたは もういちど 
わたしの ページを めるくでしょう

そしたら わたしは 
あなたに おしえてあげる
この よのなかで いちばん 悪いことを
宮部みゆき吉田尚令『悪い本』(岩崎書店・2011)より)

ということで、中学校の読書クラブを舞台にした「すみっこ★読書クラブ 事件ダイアリー」シリーズの第2弾。悪い本の伝道師としてのにかいどう青が、またもやらかしてくれます。
正式に読書クラブに加入した千秋は、幽霊が出るという噂のある旧図書館でおこなわれる合宿に参加することになります。目玉の企画はそれぞれがこわい話を紹介しあうというものでしたが、初心者の千秋はなにを紹介するか悩みます。
本の紹介の場面は、にかいどう青の独擅場です。最初に登場する『悪い本』は、軽いジャブでしかありません。定番のあのミステリ作家の作品を紹介するにも本は東雅夫編の角川ホラー文庫版なのかとか、あのSF作家の作品も文春文庫の『厭な物語』を出すのかとか、作品だけではなくアンソロジーにまでこだわるという驚きまで与えてくれます。そんななかで、初心者の千秋が選んだ本が、また納得感の強いものでした。
にかいどう青の選書センスには信頼しかありません。
ミステリ部分に関しては、副題から察してください。