- 作者:ノリス,アンドリュー
- 発売日: 2019/10/03
- メディア: 単行本
フロヤとかポンプヤみたいな主人公の名前をみれば、作品の意図するところは明白です。フロイドの親は、自分のしていることが教育虐待であるなんて夢にも思っていません。しかしフロイドの本当の望みは抑圧され、幻覚というかたちで姿を現すことになります。
そしてフロイドの人生は紆余曲折を経て本来の方向に向かっていきます。この紆余曲折がいい具合の温度なので、この作品はロマンチックな運命論を描いたものとして受け止めることができます。そもそも精神分析的な思想もロマンチックな運命論の産物といえなくもないので、この方向性は自然です。