- 作者:宮部 みゆき
- 発売日: 2011/10/07
- メディア: 大型本
本が序盤に読者に義務づける悪事が、非常にたちの悪いものでした。「わたしは18歳以上です」と嘘をつけというのです。これには、二重の悪意がこめられています。ひとつは言うまでもなく、このありふれた嘘をつくという罪を犯させること。もうひとつは、この嘘をつくことが不可能な大人の読者を排除することです。
合間に箸休め的にちょっと怖い話も差し挟まれています。おならをすることを禁じられて空気膨れするよい子の話とか、悪趣味だけどグロすぎず適度に笑えるちょうどいい温度のものです。
こういうちょっと不健全な香りのする読者参加型の趣向の本には、小学生のうちに1冊くらいは触れさせておきたいところです。