- 作者:枡野浩一
- 発売日: 2021/01/06
- メディア: 単行本
子どもの恥を素材にしているので、デリケートに扱わないと小学生読者にいやな思いをさせるおそれがあります。この作品は物語化を避け淡々と記述することで、その懸念を払拭しています。小説というよりもスケッチか事例報告のようで、過度に笑い話にしたり共感を押しつけたりするような要素は薄くなっています。子どもの失敗をただ当たり前にそこにあるものとして受け入れているようです。
たとえが適切かどうか自信がありませんが、青木淳悟の『私のいない高校』のような読み味が感じられました。