『レッツもよみます』(ひこ・田中)

ひこ・田中ヨシタケシンスケによるレッツ・シリーズの第5弾。今回のテーマは「よむ」ことです。
5歳のレッツは、とうさんが絵本を読むのを「うるさく」思うようになりました。さらに母さんの読む声も自分の声すらもうるさく感じます。
つまり今回は、音読から黙読へという発達の過程がテーマになっているのです。音読と黙読の違いを区別する、46,47ページのデザイン上の演出がおもしろいです。
レッツは落ち着いて本に読める場所も吟味するようになります。それ以前にとうさんから、考えごとをするにはトイレがいいということも教わっていました。音読から黙読へという発達は、孤独を志向することも意味します。
ということで、親側からすればつらい面もある話であるといえます。それでいて、親にも救いを与えてくれるところが泣かせます。