「青の読み手」シリーズのスピンオフ。人語を解する白ネズミのパルメザンの3匹の子どもゴル・ゴーン・ゾラが主役を務めます。親の「おでん」で子どもたちも人間の言葉を話せますが、長男のゴルには別のものも「おでん」していたようで、様々な言い間違いで場をなごませてくれます。
章のはじめの題字とイラストのセンスがよく、期待感を持たせてくれます。*1。大きく三つのお話が収められていて、はじめは、チーズ専門店というねずみにとっての楽園に忍び込んだ長男ゴルが、新入りの店員に「チーズの神さま」として話しかけて手助けするお話。2番目は、きょうだい3人でインチキ降霊術師をこらしめるお話。
姿を隠して人間どもに声をかけられるねずみたちは神のようにも振る舞えますが、正体が露見してしまえばただの小さく弱い動物。強さと弱さの狭間に立ち、スリリングな活躍を見せてくれます。降霊術師はねずみの天敵の黒ネコを従えていましたが、それでもゴル・ゴーン・ゾラは騙されている人を助けるために行動する善性をみせてくれます。
しかし、次に登場するのはねずみにとってネコよりも厄介な敵でした。その名も「ねずみとり男」。ねずみ視点では、笛を吹くことや奇妙な格好よりもまずその特性が重要ですから、納得のネーミングです。最大の敵を前にきょうだいの絆が試されます。
