2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん」(長谷川義史)

「おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん」(長谷川義史) 「おじいちゃんのおじいちゃんはどんなひと?」という子供の素朴な疑問から、どんどん時代をさかのぼって「ひいひいひい……おじいちゃん」の実態に迫るという内容です。 この絵本…

「ルチアさん」(高楼方子)

「ルチアさん」(高楼方子) たそがれ屋敷に住む少女スゥとルゥルゥは、新しくきたお手伝いさんのルチアさんの体が水色に発光していることを発見します。二人はルチアさんの光の色が、船乗りのお父さんからもらった水色の玉に似ていることに気づきます。そし…

「おそなえはチョコレート」(小森香折)

「おそなえはチョコレート」(小森香折) ゴミ捨て場で拾った人語を解する蛇のぬいぐるみスマスマとの心温まる交流の物語……と思いきや図書館を舞台にした陰謀ものに発展します。スマスマの登場エピソードが一段落したら今度は理想と現実のギャップに悩む新人…

「そして5人がいなくなる」(はやみねかおる)

「そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノ-ト (講談社青い鳥文庫)」(はやみねかおる) 遊園地で起こる天才児消失事件に、社会不適合者の名探偵夢水清志郎と三つ子の少女亜衣真衣美衣が挑む。 ミステリ部分に関しては文句ありません。導入で三つ子の…

「クレヨン王国からきたおよめさん」(福永令三)

「クレヨン王国からきたおよめさん (講談社 青い鳥文庫)」(福永令三) たまたま乗った電車が「なぐり電車」。誰もいないはずなのに無意味に殴られてしまう。そしてなぐり電車に乗ってたどり着いたのが「カフェテラスクレヨン王国」で、そこではクレヨン王国…

「ラビーニアとおかしな魔法のお話」(ビアンカ・ピッツォルノ)

「ラビーニアとおかしな魔法のお話 (おはなしプレゼント)」(ビアンカ・ピッツォルノ) この本は、きれい好きの方にはおすすめできません。 こんな警告が冒頭についています。ついでにいうなら食前食後にも読まない方がいいです。おとぎ話のパロディで、マッ…

「怖いこわーい町」(内藤誠)

怖いこわーい町 (こみね創作児童文学)作者: 内藤誠,城戸真亜子出版社/メーカー: 小峰書店発売日: 1988/07メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見る 表紙画像が出てこないのが非常に残念です。少年の頭がパックリ割れて、中からクレ…

「地球最後の日 SFセレクション (5)」(赤木かん子・編)

「地球最後の日 (SFセレクション)」(赤木かん子・編) このそうそうたる収録作を見てください。 「The End of the World」(那須正幹) 「悪夢の果て」(赤川次郎) 「おとうさんがいっぱい」(三田村信行) 「電話がなっている」(川島誠…

「クローディアの秘密」(カニグズバーグ)秘密=沈黙?

「クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))」(カニグズバーグ) クローディアは弟とともに家出をして、メトロポリタン美術館に住みつきます。そこの展示品をめぐる秘密に気づいてしまい……。カニグズバーグらしい理性的で計画性のある主人公が魅力的な名作…

訃報・倉橋由美子

「星の王子さま」の新訳を手がけているというニュースを聞いた時には、まさかこれが遺作になってしまうとは思ってもみませんでした。早すぎる死です。ご冥福を祈ります。 彼女は文学的にも政治的にもいろんな戦略を持って書いていた作家ですが、わたしにとっ…

「大人のための児童文学講座」(ひこ・田中)

「大人のための児童文学講座」(ひこ・田中) 「大人のための児童文学」講座 このタイトルはダブルミーニングではないかと。すなわち、「大人のための『児童文学講座』」と「『大人のための児童文学』講座」です。「大人のための児童文学」と定義できるよう…

「晴れた日は図書館へいこう」(緑川聖司)

「晴れた日は図書館へいこう (文学の森)」(緑川聖司) 図書館ミステリ、今になって思えばなぜ今までこのテーマの児童文学がなかったのかが不思議になります。児童文学を愛する人の大部分は図書館マニアでしょうから。実際本好きな子供はよっぽどお金持ちの…

「てんぐのそばや」(伊藤充子)

「てんぐのそばや―本日開店 (偕成社おはなしポケット)」(伊藤充子) そばの大好きなてんぐが町に下りてきてそば屋をはじめます。このてんぐにはうぬぼれ屋という欠点があって、自慢をはじめると鼻が大きくなってしまいます。自分は最高のそばを打っているの…

「旅のくつ屋がやってきた」(小倉明)

「旅のくつ屋がやってきた (おはなしさいた)」(小倉明) 国防をめぐる物語ですか。時節がら厄介なテーマです。 ホテルの息子パド少年は旅の靴屋と知り合います。パドは靴屋が街の人間の住所や名前を調べているところを目撃し、父親に報告しました。すると父…

「虹への旅」(芝田勝茂)

「虹への旅 (ドーム郡シリーズ)」(芝田勝茂) ドーム群シリーズ2「虹の旅」はうそつきのマリオの物語です。口先だけで生きてきた人間が行動を起こすようになるということで、成長物語としては前作よりわかりやすくなっています。そして本当にしなければな…

「ねぎ坊主畑の妖精たちの物語」(天沢退二郎)

「ねぎ坊主畑の妖精たちの物語 (fukkan.com)」(天沢退二郎) 天沢退二郎復刊ラッシュはまだ終わらないようです。続いて「夢でない夢」も復刊しました。あと可能性がありそうなのは「水族譚」です。復刊ドットッコム様、もうひとがんばりお願いします。 「ね…

「グランパのふしぎな薬」(鈴木浩彦)

グランパのふしぎな薬 (子どもの文学 (52))作者: 鈴木浩彦出版社/メーカー: 偕成社発売日: 1982/07メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログ (1件) を見る 児童文学界は慢性的にSFを書ける人間に恵まれていません。児童文学に良質なSFが無い…