2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

その他今月読んだ児童書

火星のライオン作者:ジェニファー・L・ホルムほるぷ出版Amazon2091年を舞台にした近未来SF。火星に住んでいる人々が、隕石らしきものが落下したことから謎の苦難に襲われる話です。移住当初は国籍に関係ない理想郷を作る夢もありましたが、やがてそれぞれの…

2021年の児童文学

オイモはときどきいなくなる (福音館創作童話シリーズ)作者:田中 哲弥福音館書店Amazon高いレベルの芸術性と子どもにも理解できる大衆性・娯楽性を両立できるところに、児童文学の偉大さはあります。幼年の不安定な世界をおバカ女子のあまりにもおバカな語り…

『クーちゃんとぎんがみちゃん ふたりの春夏秋冬』(北川佳奈/作 くらはしれい/絵)

クーちゃんとぎんがみちゃん ふたりの春夏秋冬作者:北川 佳奈岩崎書店Amazon これは、板チョコレートのクーちゃんと、なかよしのぎんがみちゃんの、とろけるようなたのしい毎日のお話です。 という、本の冒頭に掲げられた紹介文の「とろけるような」という表…

「あやしの保健室」百合回総復習

「あやしの保健室」は染谷果子によるホラーコメディ児童文学。2016年にスタートし、2020年に全4巻で惜しまれつつ完結しました。しかし、2022年に「あやしの保健室Ⅱ」として新シリーズがスタート。それを祝して、シリーズの魅力を振り返りたいと思います。 シ…

『あやしの保健室Ⅱ 1 九年に一度の誕生年』(染谷果子)

あやしの保健室II 1 九年に一度の誕生年作者:染谷果子小峰書店Amazonあやしの保健室・イズ・バック!*1 小学生の「やわらかな心」を奪うためにあやしいアイテムを駆使して悪巧みを繰り返す養護教諭24歳の奇野妖乃先生の物語「あやしの保健室」の新シリーズが…

「女の子たちのぼうけん」全3巻

「女の子たちのぼうけん」をテーマにしたアンソロジー。特におもしろかった作品をいくつか紹介します。女の子たちのぼうけん (1) いつも勇気があってオシャレな女の子 (女の子たちのぼうけん 1)作者:いとう みく,山本 悦子,吉野 万理子,石川 宏千花,令丈 ヒ…

『子供の詩の庭』(ロバート・ルイス・スティーヴンソン/作 マートル・シェルドン/絵)

子供の詩の庭作者:R・L・スティーヴンソン毎日新聞出版Amazon HAPPY THOUGHT The world is so full of a number of things, I'm sure we should all be as happy as kings, 『宝島』『ジキル博士とハイド氏』のスティーヴンソンの詩集。翻訳は池澤春菜と池澤…

『ブレーメン通りのふたご』(蓼内明子)

ブレーメン通りのふたご (フレーベル館文学の森)作者:蓼内明子フレーベル館Amazon『さるも木からおちる』というちょっと変な名前の甘味処、そこにいるのは店主の園子さんと、その孫のふたごマキとカツラ。さらに、客としてもう一組の自称ふたご、まりあちゃ…

『よみがえれ、マンモス!  近畿大学マンモス復活プロジェクト』(令丈ヒロ子)

よみがえれ、マンモス! 近畿大学マンモス復活プロジェクト作者:令丈 ヒロ子,深川 直美講談社Amazonシベリアでいい状態のマンモスを発掘し、その細胞から取り出した細胞核をメスのゾウの卵子に移植すれば、マンモスを復活させることができる! 体外受精研究の…

『小さな手  ホラー短編集4』(金原瑞人/編訳)

小さな手 ホラー短編集4 (岩波少年文庫 627)作者:佐竹 美保岩波書店Amazon佐竹美保のカバーイラストがいいですね。美しい並木の奥には、さぞかし楽しく魅惑的な世界が待っていることでしょう。読者を歓待しようという本の作り手のまごころが伝わってきます。…