「もしかして、まどかさんは、窓か? なんちゃって」
「そうなの。わたし、窓なのです」
『ねぎのねぎしくん』に続く、「不思議なイキモノガタリ」シリーズ第2弾。前作のねぎとはと違い捕食関係はないので、あまりおびえる必要はなさそうです。捕食関係で読者をおびえさせる児童文学作家ってなに!?
真凜が体育館の戸締まりをしていたところ、窓に話しかけられます。窓のまどかさんの話によると、学校のすべての窓がまどかさんなのだとのこと。転生するねぎに対して、遍在する窓。学校のほとんどの場所でまどかさんの監視から逃れられないと考えると、かなり怖いです。まどかさんは人間のふりをするのが楽しいらしく、ボールがぶつかると痛くもないのに痛ーいと言ってみたりします。あるいはトイレではありえないデリカシーのない話題を真凜にぶつけ、異次元のコミュニケーションを挑んできます。ただ、トイレのエピソードのオチなどをみると、まどかさんは人間の気持ちがわかっているのに(あるいは、すでにある程度習得しているのに)、あえてわからないふりをして真凜をからかっているようにも思えます。
窓の寓意は明らかで、真凜はまどかさんとの関わりを通して新たな視点を得ます。そういう意味では、くせ者の戸森しるこにしては素直に教育的なお話のように受け取れます。一方でまどかさんは、内側しか見ることができないという皮肉な設定上の縛りを与えられています。まどかさんは外の世界と接続することができるのか、ここが終盤の注目ポイントです。









