2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『波あとが白く輝いている』(蒼沼洋人)

波あとが白く輝いている作者:蒼沼 洋人講談社Amazon蒼沼洋人は第4回ポプラズッコケ文学新人賞大賞受賞作『さくらいろの季節』で2015年にデビューしました。学校の戦場感を繊細な筆致で描き出すことに成功した傑作で、次回作が待ち望まれていましたが、著者は…

『9時半までのシンデレラ』(宮下恵茉)

9時半までのシンデレラ作者:宮下 恵茉講談社Amazon ラシカルガイブ妖精というのは気まぐれで、 幸福をもたらしたりいたずらに興じたりするものだ。 一人ひとりの悪さはたかがしれているけれど、 油断しちゃだめだよ、大群になった妖精たちは、 いたずらの規…

『アリとダンテ、宇宙の秘密を発見する』(ベンジャミン・アリーレ・サエンス)

アリとダンテ、宇宙の秘密を発見する作者:ベンジャミン・アリーレ・サエンス小学館Amazon2012年にアメリカで刊行されたBLYA。80年代後半のテキサス州エルパソを舞台に、メキシコ系の少年アリとダンテの恋の物語が語られます。 アリの父親はベトナム帰還兵で…

『6+1の不思議』(斉藤洋)

6+1の不思議作者:斉藤 洋,森田 みちよ講談社Amazon作家の語り手の元に、半世紀ほど前の小学校高学年のころの同窓生から突然電話がかかってきました。作家が不参加だったクラス会で期せずして子どものころの不思議な体験談大会が始まり、6件の話が集まったの…

『最高のともだち』(草野たき)

最高のともだち作者:草野 たき講談社Amazonリクと菜摘とライト、小学六年生のなかよし三人組の物語です。久しぶりに草野たきがダーク路線に振り切った作品をみせてくれました。 六年生だった僕は、将来、愛子さんと本気で結婚したいと思っていた。 世界中を…

『かわらばん屋の娘』(森川成美)

かわらばん屋の娘 (くもんの児童文学)作者:森川 成美くもん出版Amazonこの作品を読むまで知らなかったのですが、江戸時代のかわらばんは違法出版物だったそうです。処罰されるおそれがあってもなおしてしまうからこそ、人には記録を残す強固な習性があるのだ…