2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『わたしの気になるあの子』(朝比奈蓉子)

わたしの気になるあの子 (ノベルズ・エクスプレス 49)作者:朝比奈 蓉子ポプラ社Amazon小学6年生の瑠美奈と詩音の視点が交互に入れ替わる構成になっています。瑠美奈の祖父は時代錯誤の家父長制ジジイで、ごたいそうな家でもないのにいつも跡継ぎがどうとか妄…

『ガラスの犬 ボーム童話集』(フランク・ボーム)

ガラスの犬 ボーム童話集 (岩波少年文庫 255)作者:フランク・ボーム岩波書店Amazon本邦初訳のボーム童話集。ボームといえば、やはりアメリカでファンタジーを成立させたということが重要で、この作品集の「作者のことば」ではこのようなことが述べられていま…

『時計がない!』(小松原宏子)

時計がない! (文研ブックランド)作者:小松原宏子文研出版Amazonカバーイラストの圧が……。SFの読者であればこのカバーイラストを見た瞬間にハーモニーとかアステリズムとかいう単語が思い浮かび、ある先入観を抱くはずです。 「誕生日プレゼントはなにがほし…

『りぼんちゃん』(村上雅郁)

りぼんちゃん (フレーベル館文学の森)作者:村上雅郁フレーベル館Amazon目利きの読者のあいだで話題沸騰の新人村上雅郁の第3作が、早くも刊行されました。背が低いためにクラスで赤ちゃん扱いされている朱理は、先生から転校生の理緒の世話を頼まれます。ふた…

『月にトンジル』(佐藤まどか)

月にトンジル (読書の時間 8)作者:佐藤まどかあかね書房Amazonトールとダイキとシュンとマチの4人は、「テツヨン」という仲良しグループを作っていて、土曜の午後は必ずみんなで公園に集まって遊ぶ習慣になっていました。しかし、メンバーのひとりのダイキが…

『オイモはときどきいなくなる』(田中哲弥)

オイモはときどきいなくなる (福音館創作童話シリーズ)作者:田中 哲弥福音館書店AmazonライトノベルやSFの分野でカルト的な人気を誇る田中哲弥が児童書出版の老舗福音館書店から突如『鈴狐騒動変化城』という上方落語テイストの傑作児童文学を発表してから7…

『チョコレートのおみやげ』(岡田淳)

チョコレートのおみやげ作者:岡田 淳ビーエル出版Amazon五年生のゆきちゃんは、母の妹のみこおばさんと異人館・港というデートコースで遊んでいました。公園のベンチに座ってチョコレートを食べていると、みこおばさんは「時間がとけていくみたい」と謎めい…

『ボーダレス・ケアラー 生きてても、生きてなくてもお世話します』(山本悦子)

ボーダレス・ケアラー: 生きてても、生きてなくてもお世話します作者:山本悦子理論社Amazon「鬼ヶ島通信」連載作に加筆を加えた作品です。大学生の海斗は親の命令で、祖母の世話をすることになります。愛犬の豆蔵が死んで以来誰もつながっていないリードを持…

『おれは女の子だ』(本田久作)

おれは女の子だ (ポプラ物語館 85)作者:本田 久作ポプラ社Amazonピンク色が好きなために「女の子みたいだ」とからかわれたすばるは、「おれは女の子だよ」と宣言、そのことを家で話すと姉たちからピンク色のシャツを着たりスカートをはいたりして学校に行く…