2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

2022年の児童文学

クーちゃんとぎんがみちゃん ふたりの春夏秋冬作者:北川 佳奈岩崎書店Amazonまずは、2022年の児童文学の天国と地獄を紹介します。天国は『クーちゃんとぎんがみちゃん』です。チョコレートの女の子クーちゃんと、ぎんがみちゃん、なかよしのふたりの日常が、…

『おはようの声』(おおぎやなぎちか)

おはようの声作者:おおぎやなぎちか新日本出版社Amazon小学3年生のゆっこは、隣に住む6年生のエリちゃんに憧れています。エリちゃんは生徒会長で裁縫が得意で家がお金持ちで、ゆっこにとっては他人だけど最高に自慢できるおねえさんでした。ふたりの何気ない…

『泣き虫スマッシュ! 2 ひよっこペア、きずなを試す初対戦!?』(平河ゆうき)

泣き虫スマッシュ!(2) ひよっこペア、きずなを試す初対戦!? (角川つばさ文庫)作者:平河 ゆうきKADOKAWAAmazon界隈で評判が高まりつつある百合スポーツ児童文学「泣き虫スマッシュ!」の第2弾。無事ペアになれた奈央とことりですが、次に控えていたのはシング…

『きみの話を聞かせてくれよ』(村上雅郁)

きみの話を聞かせてくれよ (フレーベル館文学の森)作者:村上雅郁フレーベル館Amazon村上雅郁の新作は連作短編。6人の生徒とひとりの養護教諭が語り手となり、中学校の複雑な人間模様が描かれます。 第2話の「タルトタタンの作り方」は、王子様キャラの生徒会…

『あて名だけの手紙』(野火晃)

あて名だけの手紙作者:野火 晃佑学社Amazon佑学社から1984年に刊行された怪奇短編集。どの作品もある種のドッペルゲンガー譚になっていて、分身に運命を支配される理不尽さと薄気味悪さをこれでもかと味わわされます。古い作品なので、結末まで含めて内容を…