「おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん」(長谷川義史)

おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん
おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん」(長谷川義史
 「おじいちゃんのおじいちゃんはどんなひと?」という子供の素朴な疑問から、どんどん時代をさかのぼって「ひいひいひい……おじいちゃん」の実態に迫るという内容です。
 この絵本を完璧に子供に読み聞かせできるか?大人達は試練を突きつけられました。
 おじいちゃんはどんな人だったのか?そのまたおじいちゃんは?なにしろおじちゃんの前に「ひい」をつけるだけで無限のおじいちゃんが想定できるのだからたまりません。こうやって子供は無限に思いをはせるんですね。
  ところがこのひいひいじいさんの問題を突き詰めていくと、進化論や生命発生の問題にぶち当たってしまいます。子供につっこまれたとき、まともな説明ができるでしょうか。できそうにありません。これまた大人にとって試練です。
 一番の試練は見開きいっぱいの「ひいひいひいひいひいひいひいひいひいひいひい……」をまともに読めるのかということです。でも、これを本当にまともに読み切ったときに新しい境地が開けそうな気もします。ちゃんと体力も使って読むのがこの作品の正しい読み方なのでしょう。まあ、途中でこんなバカな本を作った作者を恨みたくなるのがオチなんでしょうけど。