「怪盗道化師」(はやみねかおる)

怪盗道化師 (講談社青い鳥文庫)
怪盗道化師 (講談社青い鳥文庫)」(はやみねかおる

怪盗道化師参上
なんでもぬすみます。ただし――
・世の中にとって値打ちのないもの
・持っている人にとって値打ちのないもの
・それをぬすむことによって、みんなが笑顔になれるもの
れんらく先は西沢書店まで

 西沢書店のおじさんは怪盗道化師に変身してみんなの依頼にこたえてこのようなものを盗みます。クリスマス、現実、夢、時間。おおよそ盗めそうもないものも見事に盗んで見せます。
 今のはやみねかおるには見られない、無生物が会話をする話なんかが見られて興味深いです。デビュー作ですから、子供向けの物語を語る方法について模索していた時期なのでしょう。やはりロジックで見せる話の方が完成度は高いです。ビルの陰を盗む方法なんかはおどろかせてくれます。