「ラビーニアとおかしな魔法のお話」(ビアンカ・ピッツォルノ)

ラビーニアとおかしな魔法のお話 (おはなしプレゼント)
ラビーニアとおかしな魔法のお話 (おはなしプレゼント)」(ビアンカ・ピッツォルノ)

この本は、きれい好きの方にはおすすめできません。

 こんな警告が冒頭についています。ついでにいうなら食前食後にも読まない方がいいです。おとぎ話のパロディで、マッチ売りの少女がクリスマスの日に妖精から魔法の指輪をもらうというストーリーです。マッチ売りの少女と妖精がお互いに、「こんなやつはおとぎ話の中にしかいないはず……」と警戒しあうなんていうくすぐりも入っていて、難しいことは考えずに楽しめます。
 マッチ売りの少女は指輪の魔力(ものをウ○チにかえてしまう)を使って活躍をし、豊かな生活を手に入れます。でもだんだん思い上がってきてひどいしっぺ返しを食らいます。ウ○チさえ気にならなければ、安心して読める健全なお話です。
 作者のビアンカ・ピッツォルノはイタリア本国では大変人気のある作家らしいのですが、日本にはあまり紹介されていません*1。2000年に本作が出たのが最初で、つづいて2004年に「ポリッセーナの冒険」が出版されました。。いや、「ポリッセーナの冒険」が出て本当によかったです。でなければビアンカ・ピッツォルノは、日本では永久にウ○チ作家としか認識されなかったでしょうから。バカ話をこれだけ楽しく書く力量のある作家なら、実力は十分あるはずです。もっと翻訳を出してもらいたいです。

*1:どうもビアンカ・ピッツォルノというより、イタリア文学自体が日本で受け入れられていないようです。