『ニセモノ わたしの知らない「わたし」がいる』(蜂賀三月)

中学二年生の七菜に、中学に入ってから疎遠になっていた友人のあかりから突然、「私を見つけたら教えてください」という謎めいたメッセージがきました。あかりは大きなピアノコンクールで入賞してちょっとした有名人になっていたのですが、自分の周囲に自分のニセモノが現れて、コンクールに出たのもニセモノなのだといってきます。七菜の友人でオカルトマニアの冥はドッペルゲンガーのようだと指摘し、謎を解明しようとしますが、七菜たちも怪異に巻きこまれていきます。
怪異が近づくと「キィ キィ」という異音がする演出が怖いです。徐々に怪異が迫り追い詰められていくさまが読ませます。目次の段階で、途中で語り手が変わることや最後にいくつかの資料を提示することを明かしているところなど、ホラーとして手が込んでいてサービスが行き届いています。
主人公たちは怪異におびえるだけでなく、情報を集めその正体を暴き対処法を得ようとあがきます。恐怖を味わわせてくれるのと同時に、調べものをすることの楽しさも味わわせてくれます。そのなかで、インターネットより図書館のほうが強いとアピールしているところは、かなり教育的です。