『広告の探検にでかけよう! ほしいものは自分で決める』(エリカ・ファイビー 文 イアン・ターナー 絵)

広告が使用しているテクニックを知ることによって騙されないようにしようというコンセプトの絵本。内容は盛りだくさんでかなり高度で、岩波ジュニア新書1冊読むくらいの学習ができます。
盛りだくさんの内容を整理するために、新製品のフーセンガムとリサイクルサービスを売り出すという設定で軸を作ってくれているのが親切です。
出した情報の復習を読者にさりげなくさせているところもうまいです。序盤で「障害者を主役にした広告をどのくらい見たことがあるだろうか?」と問いかけ、その後(「健常者」にとっての)必然性なく車椅子ユーザーを画面に出しています。また、黄金比による視線誘導のテクニックを紹介した後に、特に説明せず似た構図の画面を出したりもしています。
細部をよく見ると、ちょっと笑えるところもあります。当たり前のことを自慢げにアピールして優良誤認させるテクニックを解説し、「コレステロールゼロ」をうたったネコ砂のパッケージを提示しているところなど。ネコ砂だったらさすがに騙されないんですけど、騙しのプロはいろいろ悪辣なことを考えてくるので、これを避けるのもなかなか難しいんですよね。
難しい内容を幅広い年齢層の子どもに読んでもらうための工夫がそこかしこに見られます。小中高どの学校図書館においてもよさそうです。