『おばけのリーブル あの子はともだち?』(おおぎやなぎちか/作  ヒダカナオト/絵)

ガサゴソ森に住むおばけのリーブルのお話。

フワッ。
これは、おばけがおきた音。
ススス。
これは、おばけがねぐらをでた音。
ファファファファ。
これは、おばけがたいそうをしている音。
ファムファム。
これは、おばけが食事をしてる音。

擬音を連発して登場するおばけに対する興味を高めてくれる導入部がうまいです。「ファムファム」ってなにを食べる音なの!? この擬音の楽しさは、結末にも効いてきます。
森には家族以外におばけがいないので、ともだちと呼べる存在がいないことが少し気がかりでした。カラスのカー吉が「おまえにそっくりのやつがいるぞ」と人間のいるところに連れていってくれますが、しゃぼん玉だったりふうせんだったりして期待外れ。いや待って、すでにともだちはいるのでは……? という感じの、ゆるくてあたたかい世界が展開されます。
おばけの主食は人間のさけび声。悪意なく人間を叫ばせてまんまとご飯にありつくお約束も楽しいです。リーブルのともだちと人間のさけび声がさらに増えるように、シリーズ化してもらいたいですね。