「魔法少女マリリン 時計塔の魔女」(村山早紀)

 「魔法少女マリリン」第二巻。今回のマリリンたちのミッションは何者かに狙われている歌姫「銀のユナイア」を守ることでした。なにやらユナイアは、冒険者仲間の誰かと因縁がある模様。
 テーマとなっている死霊術もRPGの世界ではわりとあっさり定番ネタとして処理されてしまいますが、さすがに村山早紀は一級の悲劇に仕立て上げています。
 悲劇としても面白いですが、笑える小ネタもたくさんありました。死霊術の実験でお約束のように力を暴走させてしまうマリリン。その実験が煮干しからゾンビを作るものだというのが傑作です。また、楽屋裏の歌姫の変わりようも愉快でした。
 しかし一巻は町の冒険者の話だったのに、二巻にして強国の闇の組織とやらが出てくるとは、話のスケールが急に大きくなってしまいました。この後どこまで風呂敷を広げてくれるのでしょうか。