主人公のリョウは、盛岡市に住む少年、父親が会社の不祥事を糾弾して失職したため、家庭内が不安定になり夏休みの予定もなくなったことに不満を抱いています。そんなリョウは、体験学習で特に興味もなかった図書館に行きました。ちょうど職員のいないタイミングでみすぼらしい着物を着た奇妙な少年から◯の下に縦棒が3本ついたような記号を見せられ、この「はた」について調べるように依頼されます。
郷土史の調査と現代の事件がオーバーラップする、堅実な手法の社会派児童文学です。
父親の会社の悪事が断罪される兆しがほとんどないのがつらいです。日本は不正をする側が称賛されそれを追及する側が嘲笑される社会なのでリアリティという面では正しいのですが。だからこそ、「真実は変えられない」というメッセージを重く受け止める必要があります。
