- 作者: 藤野恵美,琉暮しお
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/03/15
- メディア: 新書
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先生は生徒に怪談を語らせることによって、怪奇現象の存在をことごとく否定し、「こわい」とはなんなのかを考えさせます。これはすばらしい科学リテラシーの教科書になっています。説教が先行しているので、訓導的で古めかしくは感じてしまいます。わたしも子供が大人の手の上で踊らされるだけの話はあまり好きではありません。でも、この作品は評価したい。子供に媚びず、幽霊などいないことを合理的に説く大人は必要です。
登場する怪談は「牛の首」から「棒の手紙」まで網羅的です。怪談集としても充分楽しめる内容です。
あとがきより
作者がこのような作品を書いた動機はあとがきで明かされています。作者の祖母が、作者の病気を心配するあまり、霊感商法に引っかかってしまったことがあったそうです。この経験のおかげで藤野恵美は心霊現象を否定するようになりました。
さらに祖母をめぐるエピソードは続きます。藤野恵美は生前の祖母に、こんなことを言っていました。
「人って死んだらどうなるんだろう?霊界ってあるんかなあ?もし、幽霊になれたら、お葬式で心霊現象を起こして知らせてな。」
当然心霊現象など起きなかったそうです。
ちょっと待て。どこかで聞いたような話じゃないですか。某有名作品のラストをひっくり返したような……。これはもしや「○の○○が死んだ」批判?藤野恵美にその意図があるかどうかはわかりませんけど。