小中学校予算に学力テストの結果を反映…東京・足立区

 東京都足立区教委は来年度から、区立小中学校への予算配分に、都と区が実施している学力テストの結果を反映させる方針を決めた。
 テストの平均点などから各校を4段階に分類し、各校の独自の取り組みに支出する「特色づくり予算」の配分を、1校あたり500〜200万円と格差をつける。区教委教育政策課は「子供の能力に序列をつけるのではなく、学校経営を評価するという趣旨。学校の経営改革として実施したい」としている。
 学力テストは、都が毎年1月、区は4月に実施している。区教委の計画では、区内72の小学校と37の中学校について、各校のテストの平均点や前年度からの伸び率、校長の経営計画などから点数化、ABCDの4段階に分類する。Aは全体の約1割、Bは約2割、Cは約3割、Dは約4割とする予定。分類結果は公表しない。(読売新聞) - 11月4日12時48分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061104-00000305-yom-soci

 小学校教員でもある岡田淳が1983年に発表した作品集「リクエストは星の話」に「シールの星」という短編が収録されています。三年生の学級で帽子をかぶることが流行するお話。三年生の担任がテストで百点を取るたびにシールをくれるので、みんな帽子にシールをつけるようになったのです。
 「シールの星」は当時の行き過ぎた競争主義教育を批判しつつ、傷ついた子供に美しいものを発見させる叙情的な好短編でした。
 さて、この作品の発表から20年以上たった現在学校で何が行われているかというと、上の記事の通りです。もはやシールをもらえない子供は心を傷つけられるだけではすみません。おのずから与えられるはずの教育を受ける権利を守るために、命がけでシールを集めなければならない状況にまで追い込まれています。
 足立区教委のみなさんは「きょーいくのきかいきんとー」という言葉をご存じないのでしょうか?

リクエストは星の話 (偕成社文庫)

リクエストは星の話 (偕成社文庫)