その他今月読んだ児童書

今月の児童文学界の一番の話題は、角川つばさ文庫の創刊です*1。創刊ラインアップの中で注目すべきなのは、やはりこれでしょう。富士見ファンタジア文庫の黄金時代を支えた超人気シリーズですから、おもしろさは保証されています。なにより売りなのは、本が白いことです。なぜ白いかというと、改行が多くて字が少ないからです。これなら活字が苦手な子でもさくさく読めて、読書の楽しさを味わうことができるはずです。リライトを担当するのは、学研の「トリシア先生」シリーズですでに児童文学界でも実績のある南房秀久なので、安心して子供に手渡せます*2
おひさまのワイン (学研の新しい創作)

おひさまのワイン (学研の新しい創作)

クリスマスをテーマにしたファンタジーです。祭の喧噪がいい具合に描き出されていて、楽しい作品になっていました。
魔界屋炎上!最後の魔界能力―魔界屋リリー (フォア文庫)

魔界屋炎上!最後の魔界能力―魔界屋リリー (フォア文庫)

「魔界屋リリー」第10巻。とりあえず第一部完ということのようです。
忍剣花百姫伝6 星影の結界 (Dream スマッシュ!) (Dreamスマッシュ!)

忍剣花百姫伝6 星影の結界 (Dream スマッシュ!) (Dreamスマッシュ!)

「忍剣花百姫伝」第6巻。夢候が無茶苦茶かっこよかったです。あと一冊で終わってしまうのが寂しくてなりません。メフィスト賞作家関田涙青い鳥文庫のシリーズ「マジカルストーンを探せ !」の第2巻です。このシリーズは1巻を読んだっきりで放置していたのですが、番外編の「名探偵宵宮月乃5つの事件」を読んでみたら本格度が高くて面白かったので、また読んでみることにしました。個人的な好みですが、わたしは本格ミステリのトリックは笑えるものが上等だと思っています。その意味でこの作品は楽しめました。ピタゴラ装置チックな工作が笑えてよかったです。
夢泥棒と黄金伝説 マジカルストーンを探せ! Part3 (講談社青い鳥文庫)

夢泥棒と黄金伝説 マジカルストーンを探せ! Part3 (講談社青い鳥文庫)

続いて第3巻。今度は暗号解読して宝探しという趣向です。暗号につきもののダジャレが多めでこちらも笑えました。
獣の奏者(3) (講談社青い鳥文庫)

獣の奏者(3) (講談社青い鳥文庫)

ところで、アニメのエリンはずっとジョウンのところにいて、ほのぼのコメディを繰り広げている方が幸せだと思うのですが、どうでしょうか?
びっくりどっきり寄生虫―だれかが、きみを食べている

びっくりどっきり寄生虫―だれかが、きみを食べている

寄生虫をテーマにした理科絵本。タイトルの勝利です(読者はかなり選びますが)。本の袖では「この本を読めば、いろんな寄生虫にびっくりどっきり!体がムズムズしてくるぞ!」と煽っています。 
行方不明のヘンテコな伯父さんからボクがもらった手紙

行方不明のヘンテコな伯父さんからボクがもらった手紙

最近、横山茂雄稲生平太郎)の著作を読み直しています。この作品は「ゴーメンガースト三部作」の作者の絵本を翻訳したものです。ストーリーは伯父さんが北極で白いライオンを探して冒険を繰り広げるというものですが、なにもかもがヘンテコで魅力を説明するのは難しいです。
肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫)

肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫)

カーネギー賞ウィットブレッド賞受賞作の文庫落ちです。
とれたて!ベストセレクション 12歳からの読書案内

とれたて!ベストセレクション 12歳からの読書案内

 「12歳からの読書案内」から約3年、その最新版が出ました。新しい本を紹介するのが最大の売りのブックガイドですから、今後も中高生が一巡する3年ぐらいのサイクルで出してもらいたいです。

*1:本当は大阪方面でひどい出来事があったのですが、あまりに腹立たしいので触れたくもありません。

*2:ということにしておきましょう。この前本屋のラノベ棚をうろついてたら、彼が某ストライクなアニメのノヴェライズを書いていることを知ってしまったので、ちょっとダメかなと思ってしまったのは内緒です。