その他今月読んだ児童書

おばけのナンダッケ

おばけのナンダッケ

人間の考え事を食べる邪悪なおばけの話。この化け物に食われると、人間は自分のしようとしていることを忘れて「なんだっけ」とつぶやくことしかできなくなります。集団で「なんだっけ」「なんだっけ」と言い合っている様子が笑えます。また、貪欲に食事をして太っていくお化けの体が自在に変形していくさまを描いたイラストも楽しいです。
15の夏を抱きしめて (STAMP BOOKS)

15の夏を抱きしめて (STAMP BOOKS)

岩波書店「STAMP BOOKS」の第8回配本はベルギーの作品。少年の亡霊が、まだ自分の姿を見ることのできる残された恋人や家族を見つめる話です。死んだら〈物語〉から解放されるという死生観が興味深いです。亡霊の目から残されたものたちの人生が幻想的なイメージを伴って多層的に語られる、たいへん美しい物語になっていました。
怪談えほん (6) かがみのなか

怪談えほん (6) かがみのなか

これはもう、怖いという以外になにもいうべきことはありません。
蟲の神

蟲の神

さらわれた子どもが蟲の神の生け贄にされる話。だから怖いって。