『虫ロボのぼうけん カブトムシに土下座!?』(吉野万理子)

虫ロボのぼうけん―カブトムシに土下座!?

虫ロボのぼうけん―カブトムシに土下座!?

三つ子の妹が生まれたために、狭いマンションから母親の実家の洋館に引っ越した森野志馬は、ふつーの小学4年生としてそこそこの転校生生活を送っていました。ところが、昆虫学者の祖父から、虫型ロボに乗ってある使命を果たせと強要されます。
虫型ロボはハイテクなのに、そのロボに乗るために体を縮める手段が忍術だという適当さがたまりません。中学年向けの本はこれくらい頭の悪さがちょうどいいのです。
いろいろな虫を観察することで、世界の見え方が変わっていくというテーマもわかりやすくてよいです。カブトムシやクワガタは実は無駄な戦いはしないとか、虫の世界で尊敬を集めているのはゴキブリであるとか、ゆるい感じに固定観念を解きほぐしていきます。
中学年向けで男子主人公の話は層が薄いですが、バランスのよい作品が生まれてくれました。