ポプラ社よりポプラポケット文庫創刊

 一挙に50冊同時刊行です。あっという間に書店の棚一段分を占領、壮観です。
 ラインアップはこちら。とりあえずの目玉はゾロリでしょう。一冊に単行本2冊の話が収録されていて599円ですから、これはお買い得です。あとがきによると、文庫化すると現役の作品でなくなってしまうということで、原ゆたかは文庫化に反対だったようです。作者には作者の思いもあるのでしょうが、ここは読者として買いやすくなったのを単純に喜びたいです。その他注目作に簡単なコメントを

児童文学・中級

 注目は「くまの子ウーフ」「のんびりこぶたとせかせかうさぎ」。こういうどうかしている作品は、常に手に入りやすい形にしておかなくてはなりません。「のんびりこぶたとせかせかうさぎ」では故長新太のイラストも楽しめます。

児童文学・上級

 折原みと、倉橋耀子など少女小説系が目立ちます。そんな中で、薫くみこの「十二歳の合い言葉」にがんばってもらいたい。1982年の作品ですから、もう四半世紀くらい前の作品ということになります。現在の読者に受け入れられるか注目です。イラストが中島潔なので、わたしはジャケ買い決定ですが。

ミステリー

 クリスティ、ホームズ、金田一、神津恭介と手堅いラインアップです。個人的には高木彬光「悪魔の口笛」がうれしいです。江戸川乱歩とルパンはすでに2月に文庫版が出ていますから、現在定番作品は非常に手に入れやすくなっています。ぜひポプラポケット文庫にがんばってもらって、このいい状況を続けてもらいたいです。