年末なので一年の総括を。順位に関しては偏っていることは自覚しているのでつっこみは受け付けません。これが入っていないのはおかしいというのがありましたら教えていただけるとうれしいです。
第1位・「ドーム群ものがたり」完結
1981年に第一弾「ドーム群ものがたり」が福音館書店より刊行。1983年には第二弾「虹へのさすらいの旅」が刊行されました。その後長らく沈黙していましたが、読者の熱心な復刊運動もあり、2003年に「ドーム群ものがたり」が小峰書店から復刊されました。2004年には「虹へのさすらいの旅」が「虹への旅」と改題されて復刊。そして2005年、三部作の完結編として「真実の種、うその種」が発表されました。実に四半世紀近い年月をかけての完結です。こんなに長い間読者に待ち望まれる作品なんてめったにないでしょう。すばらしいの一言です。
第2位・巨星墜つ、長新太死去
絵本界の重鎮長新太が2005年6月25日中咽頭ガンのために死去しました。享年77才でした。彼の功績はいくら語っても語り尽くせません。彼の名前が忘れられることは決してないでしょう。
第3位・荒井良二アストリッド・リンドグレーン記念文学賞受賞
この受賞のニュースを知るまで荒井良二に注目していなかったわたしは大たわけでした。
第4位・アンデルセン生誕200年
2005年4月2日に生誕200年を迎えました。世界各国で様々なイベントが開かれ、日本でも関連本が多数出版されました。日本はお家芸のアニメでこのお祭りに参加しています。NHKで放映中の「雪の女王」は超怪作。目が離せません。
第5位・クレヨン王国完結
第一弾の「クレヨン王国の十二か月」が1964年ですから、40年以上続いたことになります。空白期間はあったにせよ気の遠くなるような長さです。完結編に関してはなにも言うことはありません。
第6位・今年もすごかった復刊ドットコム
本来なら一作ごとに項目を作るべきなのでしょうが、きりがないのでまとめて。もはや天沢退二郎、大海赫あたりは当たり前になってありがたみが薄れてきましたが(なんたる贅沢か!)、ブッキングの定番作家として着実に本を出しています。そんな中本年注目すべきは別役実「そよそよ族伝説」と佐野美津男の「ピカピカのぎろちょん」の復刊だと思います。
第8位・評論社、ソフトカバー版ロアルド・ダールコレクションを発売
柳瀬尚紀の新訳に毀誉褒貶の嵐が巻き起こりました。柳瀬版の登場に伴い評論社が田村隆一訳の「チョコレート工場の秘密」を絶版にしたため、一時は田村訳の古書価が高騰する騒ぎになりました。
ダールに関してならば、異色作家短編集の「キス・キス」の再刊の方が重大な出来事だったかもしれません。
第9位・「星の王子さま」版権消滅に伴い各社新訳版を投入
読む読むと言っておきながら結局年内には一冊しか読めませんでした。それもよりによって辛酸なめ子バージョン。これはこれでおもしろかったけど、これだけ読んで「星の王子さま」を理解した気になってはいけないのでしょうね。
第10位・「ズッコケ中年三人組」発売
未読なので特にコメントはありません。