「それからのピノッキオ」(吉志海生)

それからのピノッキオ

それからのピノッキオ

 高校に進学するか旅に出るか悩んでいたピノッキオが、父親役のジェッペットと母親役の仙女様の同意を得て再び旅立つところから物語が始まります。笛吹き男だのベアトリーチェだの聞いたことがあるような人物が登場しピノッキオと哲学的対話をしつつ、かと思うと唐突にジェッペットと仙女様が死んで冥界巡りの旅が始まり、はたまたピノッキオや仙女様の意外な出生の秘密が明かされたりします。
 なんともはや、コメントするのが難しい作品です。おもしろいというより、終始いい意味でぽかーんとさせられる作品でした。「起死回生」というペンネームも含めてどこまでまじめにやっているのか判断に苦しみます。作者には続きを書くつもりがあるようですが、このテンションを保ったまま長大なシリーズになるようであればものすごい奇書になるかもしれません。