「マジカルストーンを探せ！」（関田涙）

マジカルストーンを探せ! 月の降る島 (講談社青い鳥文庫)

　メフィスト賞作家の関田涙、青い鳥文庫に初登場です。人間の夢を作るマジカルストーンを探すため、元気少女の日向と美少女転校生の月乃が、三日月島で開催されるクイズバトルに参加するお話。奇矯なキャラクター（全身タイツの男がなんともはや）と軽快な会話が物語を引っ張っていき、さくさく読み進めていけます。ミステリ部分は対象年齢にあわせて手加減されていて、いろんな趣向の問題が出されているので、自力で謎を解く楽しさが味わえると思います。さすがメフィスト賞作家だけあって娯楽性は充分です。
　メフィスト賞出身で青い鳥文庫に進出したのは蘇部健一に続いて二人目。理論社でＹＡを出した小路幸也を入れれば、児童文学界に手を広げたメフィスト賞作家は三人目になります。ミステリーランドを加えればもっとか。蘇部健一の児童文学コンバートは大成功でしたが、メフィスト賞は安定したエンタメ児童文学の供給源になるのでしょうか。