「ギャバンじいさん」(舟崎克彦・文 井上洋介・絵)

ギャバンじいさん

ギャバンじいさん

 外で激しい吹雪が吹いているので、かりうどのギャバンじいさんは狩りに出ることができず山小屋の中でくすぶっていました。そこへ都合良くキツネに追われているウサギが助けを求めて小屋の戸をたたきました。ウサギを助ける気など毛頭ないギャバンじいさん、ウサギをシチューにしようと喜んで小屋の中に入れます。すると今度はキツネがやってきて……。
 登場する巨大な動物たちに迫力がありすぎでページをめくるたびに大笑いです。もしかして動物がでかいのでなくて、ギャバンじいさんが小人なのではという疑いも持たれます。どんなでかい動物が来ても動じないギャバンじいさんのたくましさには恐れ入ってしまいます。
 動物の絵も面白いですが、ギャバンじいさんの首が飛び回る演出はさらに笑えます。
 冬の寒さの中にあたたかさと笑いをとじこめたいい絵本でした。