「世界を信じるためのメソッド ぼくらの時代のメディア・リテラシー」(森達也)

 森達也が再び理論社よりみちパンセに登場しました。テーマはメディアリテラシー。テレビに関わっている人間だけあって、その問題点が具体的に指摘されておりわかりやすかったです。
 テレビのような大きな影響力を持つメディアが間違った使い方をされると被害は甚大なものになってしまいます。それでもメディアをうまく使うことはできると前向きなメッセージを送っています。ただし、どうすればメディアをうまく使うことができるかという具体的な方法にまで踏み込んでいないのが物足りないです。
 「メディアは人だ。だから間違える。」「真実はひとつじゃない」というメッセージはむしろ批判力の育っていない大人に届いてもらいたいものです。