- 作者: ダイアナ・ウィンジョーンズ,佐竹美保,Diana Wynne Jones,野口絵美
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2006/12/01
- メディア: 単行本
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ジョーンズの初期作品です。なので彼女の最大の魅力である張りめぐらせた伏線を一気に収束させる至芸はみられません。荻原規子いうところの「DWJのちゃぶ台返し」がないので、すれっからしのDWJファンには物足りないかもしれません。
しかしながら登場人物はアクが強く、その点ではDWJらしさが感じられます。特に女性陣が個性的です。しょっちゅう弟のロバートをいじめている隣人の少女スザンナもひねくれていていいし、はねっかえりの姉セシリアもいかにもジョーンズ作品らしい自我の強い女性で好感が持てます。いつも父親と衝突してばかりいたセシリアが当然のようにある重大な選択をするラストがさわやかです。