「ハワイ幽霊城の謎」(はやみねかおる)

ハワイ幽霊城の謎 (講談社青い鳥文庫)

ハワイ幽霊城の謎 (講談社青い鳥文庫)

 シリーズ番外編。ハワイの大富豪アロハ山田家の城にまつわる呪いお謎を解くため、夢水清志郎、岩崎三姉妹、伊藤さんと奴隷一名がハワイに赴きます。ハワイの日系人の間では「Why Didn't They Ask YUMEMIZU?*1」という言葉が伝わっており、山田氏もその言葉に従って夢水清志郎に依頼しました。さて、その言葉の元となったのは100年前の夢水清志郎左右衛門でした。フランスに行くつもりがなぜかハワイに流れ着いてしまった夢水清志郎左右衛門と中村巧之介。彼らはハワイ移民の日本人たちと知り合い、新天地で差別を受けている彼らの手助けをすることになります。現代の物語と100年前の物語が交互に語られていきます。
 そういうわけで、「みんなをしあわせにする名探偵」というテーマが前面に押し出されている作品になっています。それから、くじらさんは油を取っただけでポイせずに、すみずみまで利用し尽くしましょうというお話です。

*1:元ネタはクリスティ「Why Didn't They Ask Evans」か?