「いかさま海賊こんぐら航海記」(マーガレット・マーヒー)

いかさま海賊こんぐら航海記 (世界傑作童話シリーズ)

いかさま海賊こんぐら航海記 (世界傑作童話シリーズ)

 マーガレット・マーヒーというとホラーがかったYAのイメージが強いので、こういう路線は意外です。イラストは長新太。この組合せも意外に思います。
 ライオネル・ウェイファーは船でできた喫茶店「喫茶・海賊船」の主人でした。「喫茶・海賊船」は従業員全員が海賊の衣装を着ている風変わりな喫茶店だったのですが、ある日ウェイファーが実生活に嫌気がさしてしまい、船を海にこぎ出して従業員共々本当の海賊になってしまいました。
 海賊達はまず、千の島を持つサウザント諸島に行き、宝探しをすることになります。ところが海賊達はみんな字が読めなかったため、宝探しは頓挫してしまいました。海賊達はいったん海賊稼業を停止し、字を覚えるため学校に通うことにします。彼らが入学したシルクウィード学院がまた教員も生徒も個性的で、海賊達は受難の日々を送ることになります。
 島での冒険からいきなり学園ものに移行。物語は思いもよらない方向に進んでいきます。奔放にとびまわるマーヒーの想像力の世界を楽しめます。