- 作者: 令丈ヒロ子,岡本正樹
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 2007/05/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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舞台はさびれた商店街。主人公の茶子は喫茶店の娘です。冒頭、茶子の店で男子三人がぐだぐだとだべっている場面ですぐに作品世界の空気に引き込まれます。このゆるい空気は、彼らがこの先衰退していくしかない世界に生きていることによるものなのだと思います。第一巻のエピソードからも子供たちが商店街の行く末をシビアに見据えていることがわかり、物語がどういう方向に落ち着いていくのか期待させてくれます。
茶子は予知能力、靴下屋の息子吾郎は瞬間移動、花屋の息子吉野は念動力、写真屋の息子研は念写と、子供たちはそれぞれ超能力を与えられます。どれも基本的なだけに応用の利く力なので、限定された条件の下でいかに能力を生かして商店街の危機を解決するのかというところが見所になっていくはずです。令丈ヒロ子の技術は折り紙付きですから、この設定で面白くならないはずはありません。間違いなく「YA!フロンティア」の屋台骨を支えるシリーズになるでしょう。