「穴」(ルイス・サッカー)

穴 HOLES (ユースセレクション)

穴 HOLES (ユースセレクション)

穴  HOLES (講談社文庫)

穴 HOLES (講談社文庫)

 番外編「歩く」に備えて再読。無実の罪で砂漠の真ん中にあるグリーン・レイク・キャンプにぶち込まれたスタンリー・イェルナッツ少年。そこで待っていたのはひたすら地面に穴を掘り続ける強制労働でした。ひと癖もふた癖もある少年犯罪者たち、悪巧みをしているらしい大人たちにもまれつつ、スタンリーは苛酷な日々を過ごします。はたして彼は無事娑婆に戻れるのかというお話。
 やはりこの作品は伏線の回収が非常にうまいです。イェルナッツ家の呪い、キャンプの中ではぐくまれる友情、そしてグリーン・レイクの過去の物語。すべてのピースが美しく収束し、先祖から受け継がれた不運を背負った少年が最高の一発逆転を果たす結末が導かれます。あざとさは隠せないものの、感動は保証できます。読んでおいて損のない一冊です。