「少女海賊ユーリ６ さまよえる宝島」（みおちづる）

少女海賊ユーリ さまよえる宝島 (フォア文庫)

　そこにあるすべてのものが黄金でできているといわれる伝説の宝島を求めて、海賊たちが宝探し競争を繰り広げるお話です。
　海賊といえば宝探し。本当は海賊の仕事は略奪行為ですが、ユーリたちはおそらくやっていないので、これが今までで一番海賊らしいことをしている回ということになるでしょう。暗号に導かれて謎めいた島を冒険する基本はきっちりこなし、さらにユーリが好きな荒くれ者オーガムや彼以上にすさまじい存在感を放つオーガム・ママが物語を盛り上げ、これ一冊だけで充分楽しめる内容になっています。
　しかしこの作品の燃えどころは、みんなが宝探しに夢中になっている中で未来人だけが時光石を破壊する極秘ミッションに取り組んでいるところです。役者もそろいはじめ、物語の収束の方向も少しずつ見えてきたような感じがします。