- 作者: みおちづる,永盛綾子
- 出版社/メーカー: 童心社
- 発売日: 2005/06
- メディア: 文庫
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氷の島は氷の中に住む氷真珠の産地で、島にはこれを掘りだすための地下道が張り巡らされていした。この地下道の描写がすさまじいです。
あなの底は、グリンがいったように地下道になっていました。すきとおったかべの中には、ビー玉のような氷真珠がいくつもあります。その間にナメクジのような足をのばした二枚貝が、白い光をはなっているのです。その光で、地下道全体がダイヤモンドのようにきらきらとかがやいていました。(p82)
美しさの中に不気味さが効果的に配置されています。「夜になると光をだしてじぶんのまわりの氷をとかし、氷の中にある太古のプランクトンの死がいを食べて生きている」という氷真珠の生態も興味深いです。
いまごろ気がつきましたが、このシリーズって秘境探検小説でもあったんですね。海賊と秘境とオーバーテクノロジー、なかなか面白い取り合わせです。