- 作者: 村山早紀,佐竹美保
- 出版社/メーカー: 童心社
- 発売日: 2005/03
- メディア: 単行本
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一方ペガサスの騎士ミシェールは、砂漠を歩いているサウードと出会いました。サウードは自分の未熟さに悩むミシェールをかつての旅の仲間ファリードに重ね合わせ、しばらく彼と行動を共にすることにします。はたして王女たちはサウードと合流することができるのでしょうか。
人生初ナンパで男(ハッサン)に声をかけてしまったミシェールは、2度目のナンパでサウードに挑戦し、またしてもはずれを引いてしまいます。この子もおいしいキャラになってくれました。でもそれ以上においしいのはやはりサウード。自分で「ゆうめいな正義の旅の魔法つかいサウード」と名乗り、ミシェールが自分を知らなかったのでがっかりしてしまいます。このふたりが組んだらエンドレスでボケ続けてくれそうです。
しかし本筋の方はどんどんシリアスになっていきます。ルビーが出会った子供たちは、いのりの塔で罪深い人類を消し去るために「世界をほろぼすもの」を召還し、命を落としていました。このシリーズでは子供は大人のおかした間違いの犠牲になる存在として描かれているようです。それでも子供は未来に生きて欲しいという痛切な作者の願いが胸に響いてきます。これを読んだ子供には「子どもは、思想や正義のために死んではいけないのだよ」というサウードの言葉だけは忘れないでもらいたいです。