「妖界ナビ・ルナ② 人魚のすむ町」(池田美代子)

妖界ナビ・ルナ (2) 人魚のすむ町 (フォア文庫)

妖界ナビ・ルナ (2) 人魚のすむ町 (フォア文庫)

 星の子学園にいられなくなり流浪の旅の身となったルナは、たどり着いた港町で水を操る大道芸人のお姉さんと知り合います。このお姉さんが実はタイトルにあるとおりの妖怪で、ふたりは戦わなくてはならなくなってしまいます。
 「人魚姫」がモチーフなので、物語は悲劇にしかなりようがありません。ただ愛する人と共にありたいというだけの願いが叶わない悲劇に、年端もいかないルナを対峙させるのは酷です。しかしルナは人魚の悲しみを受け止めてみせ、彼女のいい子さが本物であることを証明してくれました。
 ルナの滞在した先で出会った妖怪を妖界にかえすというのがしばらくシリーズのパターンになりそうです。1巻で見られた血みどろの展開も健在で、ルナは中盤で軽く犬に肩をえぐられてしまいます。これでどうやってルナを10巻まで生き残らせるのか心配になってきます。
 それにしても気になったのが、2巻から始まったおまけページのタイトルです。「るなてぃっく・ルーム」って。lunaticはひらがなにしてかわいくするような言葉ではないのではなかろうか。このシリーズはどこに向かおうとしているのでしょうか。