「妖界ナビ・ルナ③ 黒い森の迷路」(池田美代子)

 空からふってきたチラシに導かれて南の楽園果名島にやってきたルナ。喫茶店で働いている青年幹太郎と仲良くなったりしてつかのまの楽しい日々を過ごしていました。しかし島では失踪事件が連続していて、ルナも事件に巻き込まれていくことになります。
 リゾート地で泳ぎまくっていますが、別にルナは遊んでいたわけではありません。前回の戦いで泳ぎができなかったために苦戦したので、弱点を克服しようと努力していたのです。ルナの健気さには毎回泣かされてしまいます。こんないい子が初恋の相手と血で血を洗う死闘を繰り広げなければならないのですから、全く救いがありません。
 さて、幹太郎は自然の代弁者としてふるまい、環境を破壊する人間に復讐をしていましたが、その彼に重大な錯誤をさせていたところがこの作品のポイントになります。環境保護メッセージを大上段から振りかざさず、人間への信頼を基調に感動を生み出しているのが憎いです。