ポプラ社版「フォーチュン・クエスト」と愉快な仲間たち

 「フォーチュン・クエスト」(深沢美潮)の新装版がポプラポケット文庫から刊行されました。「フォーチュン・クエスト」は1989年に角川スニーカー文庫でスタートし、現在も電撃文庫でシリーズの刊行が続いている人気ライトノベルです。この本が児童書の棚に並んでいるのは不思議な光景に感じられます。
 児童書文庫のライトノベル化の流れの中で、ポプラポケット文庫はやや後れをとっていました。しかし純正100パーセントのライトノベルをほぼそのままのかたちで移籍させたのは、児童書文庫業界でおそらくこれが初めてです。この試みでポプラ社は一気に遅れを取り戻したようです。
 さて、「フォーチュン・クエスト」が始まった1989年当時の角川スニーカー文庫を振り返ってみましょう。「フォーチュン・クエスト」と同時に書店に並んでいたのはこんな作品でした。

ロードス島戦記 2」(水野良

魔獣戦士ルナ・ヴァルガー 4〜7」(秋津透

 これを「フォーチュン・クエスト」の新天地、2007年のポプラポケット文庫と比較してみます。今度の仲間は前とはだいぶ趣が異なります。

ロビンソン漂流記 (ポプラポケット文庫)

ロビンソン漂流記 (ポプラポケット文庫)

最後の授業 (ポプラポケット文庫)

最後の授業 (ポプラポケット文庫)

透明人間 (ポプラポケット文庫)

透明人間 (ポプラポケット文庫)

 わざと世界名作路線のなかに放り込んでみるとなかなかおもしろいことになってしまいます。ただし、ポプラポケット文庫もだいぶライトノベル化が進んでいるので、実際に大型書店の平台に並ぶのはこんなメンバーになりそうです。ライトノベル界隈でみられる名前もあるので、それほど違和感はありません。
らくだい魔女のドキドキおかしパーティ (ポプラポケット文庫)

らくだい魔女のドキドキおかしパーティ (ポプラポケット文庫)