「忍剣花百姫伝４ 決戦、逢魔の城」（越水利江子）

忍剣花百姫伝〈4〉決戦、逢魔の城 (Dreamスマッシュ!)

　空天の法で時をかける少女化した花百姫、今度は魔王の来襲を前にした１０年前の八剣城に降り立ちました。はたして彼女は惨劇を回避することができるのか……。
　「忍剣花百姫伝」第４巻。シリーズは全８巻の予定だということで（全８巻といわず８０巻になってもわたしは全然かまわないのですが）、中盤の山場、怒濤の展開が待ちかまえていました。
　注目は新登場の３人の八忍剣です。雷をあやつって淡々と敵を倒す伊留加、遊び人風だけど決める時は決めてくれる夢候、頼りなさそうだけど実は癒しの力を持っている醜草、それぞれ華のあるキャラクターで楽しかったです。でも、一部の超人的な力を持った人間だけががんばってもいくさには勝てません。黙々と鍬をふるって水を呼び込んだ天切り衆の活躍も忘れてはなりません。
　ラストは涙なしには読めません。いろんなの人々の思いを受け継いで戦う花百姫の活躍から、さらに目が離せなくなりました。