「コウヤの伝説② まもりの刀」(時海結以)

コウヤの伝説〈2〉まもりの刀 (フォア文庫)

コウヤの伝説〈2〉まもりの刀 (フォア文庫)

 「コウヤの伝説」第2巻。きじゅ丸・みさ可・吾郎の三人組に新たな仲間いぶきが加わります。この少年、尊大だと思ったら実は帝の息子で、きじゅ丸とは仇同士ということになります。きじゅ丸の方も「戦をしない子」として育てられたはずなのに、それには裏がありました。バサラの呪いにかかったみさ可と吾郎は冒頭から殺し合いを繰り広げるし、本当にこのシリーズは殺伐としていてよいです。
 さて、この巻では金竜から三人組の前に出現した三角の秘密が明かされます。これは金竜のうろこで、高時から取り上げたうろこをふたたび北条家に戻していいか試すために、うろこを三枚に分けて三人組に渡したのだそうです。王の首は神(金竜)の意思ですげ替え可能だという天命思想が作品の背景にあるようです。