日本児童文学 2007年の5冊 

第1位 「七時間目のUFO研究」(藤野恵美

トンデモ本の世界V」で山本弘に絶賛されるなど、2007年は疑似科学を批判する立場の人に藤野恵美の名前が売れ始めました。「日本児童文学」誌上で見当違いのバッシングが起こるという逆風もありましたが、見る目のある読者にはきちんと作品は届いています。2008年も藤野恵美に注目が必要です。感想はこちら。

七時間目のUFO研究 講談社青い鳥文庫 245-3

七時間目のUFO研究 講談社青い鳥文庫 245-3

第2位 「そのぬくもりはきえない」(岩瀬成子

感想はこちら。

そのぬくもりはきえない

そのぬくもりはきえない

第3位 「スリースターズ」(梨屋アリエ

少女のテロリストを主人公とした不穏な作品です。感想はこちら。

スリースターズ

スリースターズ

第4位 「天と地の守り人」(上橋菜穂子

これについては説明する必要はないでしょう。感想はこちら。

天と地の守り人〈第3部〉 (偕成社ワンダーランド)

天と地の守り人〈第3部〉 (偕成社ワンダーランド)

第5位 「ラブ&ランキング!」(花形みつる

小学校の教室が極端な格差社会であることをシビアに描いた作品です。感想はこちら。

 2007年の一番の事件はなんといっても上橋菜穂子「守り人」シリーズの完結です。2007年は「守り人」シリーズの他にも、話題のシリーズものの完結編が発表されました。
 池田美代子の「妖界ナビ・ルナ」(2004〜2007)。みおちづるの「少女海賊ユーリ」(2001〜2007)。村山早紀の「新シェーラひめのぼうけん」(2003〜2007 無印は1997〜2002)。フォア文庫ライトノベル化の礎を築いた三作品が揃って全十巻で完結しました。人気と質の両面でこの三作に続く作品が出るかどうかが、ライトノベル児童文学の今後を占う鍵になるでしょう。